『ブリタニア エンサイクロペディア』の公聴会開かれる


ライキュームにて冒険者を招集している、という話を聞き、とりもとりあえず駆けつけた野次馬もとい自称市井の歴史研究家hoya。
そこで冒険者を待っていたデンビーという人物の「ええ、マライア様もいらっしゃいますよ」の言葉に鼻血を出さんばかりに大興奮してしまった。マライアさんと言えば八徳である「誠実」のアバタール・コンパニオンであり、ロード・ブリティッシュと共に戦ってきた偉大なる人物なのだ。



そうこうしているうちに、ゲートでマライアさん到着。



「暇だから」と言ってアバタール・コンパニオンになった、という過去があるとは思えない穏やかな雰囲気を持ったマライアさん。
マライアさんは集まってくる冒険者たちに「コデックス」(注1)に次ぐ情報量を持つという「エンサイクロペディア」の編纂への協力を依頼してきた。彼女曰く、現状ではエンサイクロペディアには最近のブリタニアに関する情報に関する欠落が多く、それを埋めるべくこの公聴会を開いた、との事。

ブリタニアのありとあらゆる事象が記されるというエンサイクロペディア。OED(注2)なんて目じゃない!それこそ膨大な知識がそこには詰め込まれているはずなのだ。
そのエンサイクロペディアの実質上の編集者が、冒険者を案内したデンビー氏なのだという。

一体どのような情報が求められているのか、考え考え、冒険者たちはエルフや新しいダンジョン、新しい素材、新しい製作物について語り、または実演し、作成した。
そのたびに新鮮な驚きを見せるマライアさんとエンサイクロペディアの編集者デンビー。
「おお!」
そして、新しい情報を仕入れるたびに編集者デンビーはこまめにメモメモ。





完成しだい、エンサイクロペディアはライキュームから首都ブリティンに船便と徒歩で運ばれる、とのマライアさんの言葉に不安を抱く冒険者たち。
「ゲートで運んではいけないのですか?」
するとマライアさんはこのようにおっしゃった。
「エンサイクロペディアには(危険な地である)フェルッカやマラスには持ち運べないように魔法がかけられます。その代わり、ゲートがくぐれなくなってしまうのです。」
・・・そういうものなのか?

「エンサイクロペディアを輸送する際にはあなた方に護衛を頼んでもよろしいかしら?」

もちろんですとも!

微笑むと立ち去るマライアさん。
エンサイクロペディアの編集を一手に任されているデンビーは、日々の疲れによろよろとしながらもがんばります、と一声残してライキュームのどこかにある編集室に向かった。彼はこれから今日得た知識をエンサイクロペディアにまとめる仕事にとりかかるのだ。
さすがは誠実のアバタール・コンパニオンの部下!と思わされる真面目そうなデンビー。
きっとエンサイクロペディアの完成を見るその日まで、編集室に差し込む朝の光が攻撃的に彼の目に突き刺さるんだ。コーヒー、フリスクは必需品なんだ。強壮な飲料飲むとあとにがっくり来るんだ。
がんばれデンビー!仕事の締め切りが迫ってきている時の辛さは痛いほどによくわかるからな!明日という字は明るい日と書くんだ!

心の底で深い深い声援を送りながらデンビーを見送るhoyaであった。




(注1)コデックス・・・・・ウルティマにおいての「究極の智の経典」。資格のないものには白紙ページにしか見えないが、資格のある者には答えが記される、とされている。
(注2)OED・・・・・Oxford English Dictionary オックスフォード大学出版局から出されている、全20巻の、おそらくは地球最大の英英辞書。とは言ってもCD一枚に入ってしまうんだけど。でもこのCD一枚、6万円以上。