『クレイニン護送計画』


ついにクレイニンが目覚めたという情報が入り、筆者は思わず叫んだ。
「嘘やぁぁぁ」
ファンであるはずの筆者にまでネタにされまくっているクレイニンが目覚めるだなんて、エイプリルフールには半月早いって!
しかし、その情報は事実であり、さらにクレイニンは目を覚ましたとたん、危うくくびり殺されるところだったのだ。

ヘイブンに出没しブラックロックを集める謎の商人を調査していたクレイニン。その後おきたヘイブン崩壊に巻き込まれ、意識不明の重体のままニューへイブンの施療院に担ぎ込まれる。
そして、意識を取り戻すことなく昏々と眠り続けた彼は、長い間ニューヘイブンの置物であった。

BNNを読むと、大変だったのは施療院のヒーラーたちであったようだ。
政権を担うカスカに「クレイニンをしっかり見守るように」と告げられたヒーラー。
「シーツの交換は欠かすな。」
まさかブリタニア一の魔導師クレイニン、宮廷魔導師として辣腕を振るっていた彼が寝たきり糞尿垂れ流し、下の世話をされていたとは。

クレイニンを愛するものとしては涙を禁じえない。

まったく目覚める兆候を見せないクレイニンを丁重に看護し続けたニューヘイブンのヒーラーたちの尽力には実に頭が下がる。彼らは30時間連続でクレイニンを看護、その後8時間の休憩が許される。
そんな長時間、そして不規則な勤務形態はいかんだろう。

目を覚ましたクレイニンを殺害しようとしたジェッサ・ルイスは、三週間前にニューヘイブンにやってきたばかりのニューフェイスであった。
クレイニンが意識を取り戻し、看護についていたマロンという熟練ヒーラーが報告の為に目を離した隙に、彼女はクレイニンの首を絞めて殺そうとした。

彼女がクレイニンを殺そうとした理由は?
彼女のバックには誰がいるのか。
彼女が行動を起こしたのは、クレイニンが目覚めるのを待っていたのか。それとも、その瞬間まで厚い看護体制にあるクレイニンに近づくことがままならなかったのか。
これらの事は明かされていない。

ジェッサの、熟練ヒーラーマロンの気を引く為のお弁当作戦は見事に功を奏していたようだったが、結果的にはマロンのヒーラーとして身についた知覚に暗殺を阻止されてしまう。クレイニンは再びブリタニアの舞台に姿を現したのだ。


クレイニンをこのままニューヘイブンにおいていてはいけない。
どういう思惑があるのか、カスカは冒険者達に、クレイニン移送の際の護衛を要請した。

というわけで、ニューヘイブンにわらわらと集合する冒険者達。
カスカの思惑はともかく、クレイニンを守るために。

大和のニューヘイブンには、虫のたかったクリスマスツリーが腐敗臭を放っている。桜の季節には一面ピンク色になったがこれはモミの木、そのピンク色はおそらくカビであろう。



ニューヘイブンの小屋の中で、クレイニンと、ロイヤルガードの男が待っていた。
ああ、クレイニン。再びちゃんと動いているあなたを見られる日が来るなんて、夢のようだ。






どうやらまだまだ本調子には程遠いクレイニン。言葉少なに集まった冒険者達に礼を述べる。
そしてロイヤルガードは冒険者に、ニューヘイブンから、ニューヘイブンの脇にあるムーンゲートまでの護衛を依頼してきた。しかしこのロイヤルガード。なんていうか・・・言葉の端々に我々冒険者を見下しているような感じが否めない。クレイニンに対しては必要以上にへりくだるあたりもカンに触る。
そんな、裏表のある男なんて願い下げよっ



よく見ると、ロイヤルガードとは思えない色合いのサッシュとハルバード。



怪しい。
あからさまに怪しい。
あまりに怪しすぎて、「いや、普通怪しかったら、色とか気をつけて装うだろう?だからこれって普通だったり?」とか逆に勘ぐってしまうくらいに怪しい。
果たしてこんな奴と一緒にクレイニンを行かせていいのだろうか?止めるべきじゃないのだろうか。
でも、「この人嫌いだから行っちゃダメ」なんて言い出してもどうしょうもねぇしなあ。さてどうしたものか・・・。

人を尊敬できるというのは素晴らしい徳の一つであると思う。クレイニンにはちゃんと、その徳が身についていた。あてにならない流れ者に過ぎない我々冒険者たちを信頼してくれていたクレイニン。彼なら、この冒険者に失礼な怪しいガードに怒りや不信感を抱いてくれるのではないだろうか・・・と思ったが



そんなところまで気が回らないほどにクレイニンの体調は悪いらしい。



辛そうなのに、冒険者たちに気を使わせないように気丈を装うクレイニン。気を使わなくてもいいのに。体調が悪かったら膝枕でもなんでもしてさしあげてよ!?
とか思っていたら、前方で何かが起きたらしい。



む、モンスター?ここで湧くモンスターなんて、せいぜいモンバット・・・いや、なんじゃあの赤いデーモンは。



クレイニンを守りながら、冒険者達は強化型デーモンに攻撃をしかける。毒をかましてくるらしく、時折物凄い勢いで人が倒れていくのが見える。
マナ回復濁メイジとして、アーチキュアを間断なく飛ばし続けながら適当に引っ張り出したHPバーにGHをかけながら蘇生をしながら隙を見て攻撃をかます。筆者の攻撃魔法なんて微々たる物ではあるが。

冒険者達が束になっても、なかなか強化デーモンは削れない。クレイニンは自分の為に冒険者達の命が散らされるという光景に衝撃を受けているようだった。何甘っちょろい言ってんのよ!私達は自分の大切なものの為に戦っているだけなんだから、気にしないで!冒険者の命なんてヘリウムガス並みの軽さだし!
しかしその横でロイヤルガードがクレイニンに言う。
「クレイニン様、しばしの辛抱です。すぐにこやつらが鎮圧させるはずです」

・・・こやつ・・・?

護衛なんだからお前も戦わないか!という声に対してもこのように返すロイヤルガード。
「文句を言う前におぬしも働くのだ!!」

ふぅ〜ん・・・これは喧嘩売ってんだよな?買えって言ってんだよな?そうだろ?違うか?え?買うよ?買えばいいんだよな??(まてぃ)


ロイヤルガードが周りの冒険者たちの心を逆なでにしまくっている間にどうやら強化型デーモンは倒されたらしい。対ロイヤルガード戦にかまけていてデーモンの事を忘れかけていたなんて言えないやぃ。



ムーンゲートまでたどりつくと、ロイヤルガードは「この先は一層の警戒を敷くため、極秘のルートを通らせていただく」と、咳き込むクレイニンを促してムーンゲートを越えていった。最後に「徳と共にあれ!」という言葉を残し。



けぇぇっ、てめぇなんざに徳って言葉は使って欲しくないねっ、徳の欠片さえありゃしねぇだろてめぇはよっというツッコミでも待っているのだろうか。

見るからに怪しいロイヤルガードに連れられて、果たしてクレイニンはどこにいったのか。彼の身柄は本当に安全なのだろうか。
このロイヤルガードが偽物だったら?という疑いはすぐに晴らされる。カスカによる「護衛御礼」の声明がすぐに出されたのだ。残る心配は、カスカが敵側だったら?というものだが・・・・こっちの可能性の方が高く、更にヤバい事態が引き起こされることは必定である。クレイニン・・・どうかご無事で・・・・



さて、下の画像は無限での護衛の様子。



何をしているかといえば、クレイニンの護衛の為にみんなでクレイニンの影武者になっているわけで。ナイス。