『デルシア陥落』〜『違和感』



暑い暑い夏が終わりを告げようとしていた頃。
照りつける日の光の中に、近く訪れる季節を予感させる黄金の輝きが加わり始めた頃。

突如、デルシアがサベージ族とアンデッドに襲撃された。(大和 2007.08.31)



倒せども倒せども尽きることなく現われ出るサベージ族とアンデッド。
昨年のオフィディアンといい、やはりロストランドはそれぞれの種族が覇権を争う戦乱の地なのだなぁ、などという感慨を抱いている間なんてありゃしねぇ。
そのうち建物から炎が上がり始め、膨大な数のサベージ族とアンデッドの群にデルシアは埋め尽くされた。



デルシアと言えば近郊に手ごろな鉱山や質の良い放牧地帯があり、生産者が拠点としている事も多い街の一つである。
「生産でログインした瞬間瞬殺された!」
「バルク貰おうと思ったら・・・。」
次から次へと悲報が舞い込む。
市民生活への影響が大きい。評議会に対し早急な対応を求める声が上がったことは言うまでもない。


数日後。
ブリタニア評議会代表、エレイン=ベイフェリーが冒険者を招集した。(大和 2007.09.07)



ロード・ブリティッシュがこの世界から旅立ってしまって以降、ひとくせもふたくせもありそうな評議会の面々を統率する役目を負うエレイン女史。常に最前線で冒険者と共に剣を振るう姿に信頼を寄せる冒険者は、デルシア奪還への望みと、彼女と肩を並べて戦える期待でうずうずしていた。
状況に即応しない評議会の面々への愚痴をついつい漏らしながらも、エレイン女史はデルシア奪還を高らかに宣言した。




寝言をつぶやきながら歩き続ける魔法ネズミ・シェリーの精神状態にそこはかとなく不安を感じながらも
デルシア奪還の為に、れっつごう!



と、勢い込んでデルシアに向かったものの・・・・



あまりに早い制圧。
敵が少なすぎる。あの怒涛の勢いでデルシアを占拠していたサベージ・アンデッドの大群はどこへ?
戸惑う冒険者たちとエレイン女史。

そこに、一人のサベージの男が現われた。

 

こいつか?今回の騒動を巻き起こした犯人は、こいつなのか?
「わが同胞の命を奪いし罪その血で購うがいい」
ヴェクと名乗るサベージ族の族長はそう言い放つとアンデッドを召還し始めた!

あのアンデッドは召還されて出現していたのか・・・てっきりデルシアの近郊にある死の街とよばれるアンデッドの住処とサベージキャンプが近接しているので、お隣さん同士仲良く襲ってきたのかと思っていたのだが。

しかし・・・このヴェクという族長がただでさえ固くて痛いのに、召還されるアンデッドが、これまた大量。
ありがたいことにエレイン女史が無差別蘇生スキルをいつのまにか身につけており、女史に近づくだけで蘇生できるとは言え・・・。
いや、だからこそか。

死体の上に自分の死体が積み重なり、その上にまた新しい自分の死体、大量の自分自身の死体のうち、どの死体が荷物を持っているのかまったく分からず、更に死体を捜そうにもラグで身動きとれず、そうこうしているうちにまたもや死体を撒き散らしそしてまた(エンドレス)

筆者が灰色の世界に何度と無く足を踏み入れるうちに、どうやら決着がついたらしい。



男は散り際が大事、とばかりに「煮るなり焼くなり好きにするがよい」と言うヴェク。
「我が一族が絶やされるときがきたか・・・」
するとエレイン女史は眉をひそめた。
「殺す?なにを言っているのですか? 死を選ぶ前に少し私と話しませんか」

女史がヴェクにサベージ族との不可侵の約束を締結するつもりがある事を告げると、冒険者たちはどよめいた。「敵」に対してあまりに寛大すぎる措置ではないのか?
しかしこの時エレイン女史は、どうやらこの事件の背後に蠢く何かを感じ取ったのであろう。ヴェクをブリティンに招待し、更なる話し合いをする事を提案した。
虜囚、人質、とも取ったかもしれないが、ヴェクはうなずくと、冒険者やエレイン女史と共にブリティンへのゲートをくぐったのであった。



昔。エクソダスの脅威がブリタニアを震撼させた頃。
サベージはエクソダスの手先、ギルヘムに扇動され、ブリタニアを襲った。
オーク、サベージ、そして人類の三つ巴の争いはエクソダスの狙い通りにブリタニアを疲弊させたという過去を思い出す方もいらっしゃるであろう。
あの時と同じようにサベージはまたもや何者かに扇動されたのだろうか?その黒幕は一体!?
サベージの族長、ヴェクの投降もといヴェクとの協調により、事態は進展するのか?