『評議会殺人事件』
vol.3

天使宮の入り口は日頃とそう変わりはなかった。
「あそこは・・・酷いよ。もう、死に祭り」との友人の言葉は聞いていたが、



暗号を解読しつつ突き進むと、そこには死体の山と幽霊が待っていた。
即座にその仲間入りを果たす筆者。
おじいちゃんは嫌いなんだ!おじいちゃんよりもっと硬いおじいちゃんはもっと嫌いなんだ!さらにそれが金色になってたりしたらもう、うわぁぁぁぁぁんっ







目白押し。

行列をなす金黒閣下をかいくぐり、その先に進むと
檻の前に一人の男が待っていた。



うっそん。あんたいつの間に人間になったとですか。



そしてカスカはウルリッヒという王立護衛の隊長に救いを求めるよう頼んできた。
初めて聞く名前だな、ウルリッヒ。
アイリーンとシェリーの行方を聞くと「無事を確認して必ず教えてくれんか!」
そうだな、早く無事を確認できるといいんだが。
そしてもう一人の行方不明者アベリー隊長の名前を出すと

「この幾月か、英雄たらんとしていた彼こそがFoAの一員だったのだよ。驚いたかね」
「(評議会殺人事件は)アベリー!アベリーがやったのだ!」

・・・・・

えええええええええええええええ
ちょっとまてエルフもどきのおっさん!今何いうた!
ちょっとまて、アベリーがFoA!? ・・・え?いや?しかし・・・

動悸をおさえながら、とりあえずは先に進むことにする。真相の究明はその後だ。

カスカに言われたとおり、ブリティンの戦士ギルドに向かうと
見るからに怪しい男が立っていた。





あんた、上司がゴルモアとかいわんか。
いや、見た目で判断しちゃぁいけない。
彼の元には既にいくつかの情報が入っているらしい。ウイスプダンジョンのポータルでパスワードを唱えると、FoAの連中の向かった先に着くという。
もう何がなんだか、誰が敵なのかわからんが、とりあえず行くぜ!



パスワードを入手、行った先は地獄であった。



MAF導入当時に似た風景に思わず絶叫。
黒閣下が沸くものの、その場に居たたくさんの冒険者達の手によって紙くずのようになぎ倒されていく。
こういう状態ではほぼ役立たずの筆者。安全そうな位置にじりじりと動きながら、こっそり黒閣下に不調和をかけていく。そうこうしているうちに、一面が光り、何者かが現われた。

お、お前は・・・



メリッサ!?
クロノスが死んだあの時、あんたも一緒に死んだんじゃなかったのか?もしかして、あの時シャドーロードに囚われていたのか?
しかし・・・あの時の清楚なお嬢様スタイルからは想像もつかない漆黒の姿。
「ええっと・・・探し物?探し人?」
周りの冒険者達に尋ねるメリッサ。
「クロノス? 待って、彼は死んだわ!」
そういうとメリッサは微笑んだ。
「それならもっと素敵で男らしいあの、アヴェリー?」
ああ、メリッサの唇が笑みにゆがんでいるのが見えるようだ。
「わざわざ死にに来たのね」
できたら死にたくはないんですが、結果死んでいるだけなんです。

クロノスに寄り添っていた清純そうなメリッサの姿はそこになかった。敵に洗脳されているのだろうか。それとも、最初からシャドーロードをこの世界に呼び込むのが目的でクロノスに近づいたのか。それを考えている暇はない。メリッサは名前を赤く染め、冒険者達に攻撃をしかけてきた。


いくつかの死体が転がったが、最後、メリッサを打ち倒した・・・と思いきや、彼女はまったく別の場所でむくりと起き上がる。



「ばかね!これで何かが変わるわけでもないし、そもそも始まってもいないのよ」
微笑みながらそう捨てセリフを吐くと、メリッサは忽然と姿を消した。
そもそも始まってもいない。そう、何かが今から始まるのだ。忌まわしい何かが。そんな予感が頭をよぎる。
メリッサが姿を消し、少しの間を置いて、まるで何者かに押し出されたかのようにみすぼらしいローブを着込んだ男が現われる。



アベリー隊長!
って、連れ去られ!?カスカはあんたが黒幕だと・・・いや、とにかくあんたには聞きたいことがたくさんあるんだ。ちょっとそこ座れ

といいかけた瞬間、二人の男がアベリーの周りを囲む。



えええええええええ

ガード二人は冒険者に協力の礼を伝えると、アベリーを両脇から抱え立ち去った。

えええええええええええええっ

あっという間に繰り広げられた出来事に呆然と立ち尽くす筆者。ちょ、まて!何がなんだか・・・えええええええええええっ!?