『接触』


ガーゴイルの王国は、今、未知の生物によって侵食されつつある。ブリタニアとの交渉が可能になった今、ガーゴイルの女王ザーはブリタニアの女王ドーンと会談し、相互に援助しあうことを決定した。新たに王位に付いたドーンの大きな外交的一歩である。
しかし、人間やエルフと、ガーゴイルとの間には肉体的相違が目立つ。果たしてガーゴイルというのはどういう生物なのだろうか。

以前、サイトトップにて「ガーゴイルは卵生か胎生か」について口走ったことがある。その時は「絵にするのに、ヘソ描くべきなのか?それとも無しなのか?どうすりゃいいんだ!」という思惑からの発言であったが、その後新たな事実が発覚した。

新しく「ステイジアン・アビス」で入手できるようになったNPC本が結構な数存在するが、その中の一冊「家族の書」にこのような記述がある。

「When a child hatches from his egg, he is born without wings. 」
卵から生まれたばかりの子供には、翼がない。

つまり、ガーゴイルは卵生だったのだ!
ということは、ガーゴイルにはヘソはない、ということなのか?

と思いきや、友人がこのような発言をした。
「爬虫類だからと言って、ヘソがないわけじゃない。」

なんと!? ということで、今回はこの友人を講師にお招きしました。
自らが鳥類であるという観点から、さまざまなお話が聞かれると思います。



「蛙のおなかにヘソがない、これは常識ですよね。」
「ええ、両生類にはヘソがありません。魚類にもありません。しかし、爬虫類にはヘソがあります。」
「卵から生まれるのにですか?」
「実の事を言うと、鳥類にもヘソがあります。・・・見ますか?」
「いや、いいっす。」
「遠慮せず。さあ、羽毛を掻き分けて。どうぞ、まさぐってっ」
「いらんて言うとろうが。でも、蛇にヘソなんて見たこたぁないですよ?」
「成長するにしたがって、痕跡が消えてしまうのです。」
「知らんかった・・・。」
「鳥類のヘソも大抵の場合は残りません。」
「無いもんまさぐらせようとすんな!」
「哺乳類でも、人間みたいにわかりやすいヘソもあれば、探すのが大変なへそもあります。」
「あ〜、ネコさんのへそって見つけにくいですよね。」
「魚類や両生類は水中に卵を産みます。でもエラ呼吸から肺呼吸に進化し、卵を乾燥した場所に生まなくてはならなくなってしまいました。乾燥した場所でも卵が生き残れる方法として胚膜が生まれ、とかここらへんを語り始めると長くなりそうだから簡単に言うと、爬虫類、鳥類、哺乳類にはへその緒があって、それを切った痕跡がヘソ。」
「途中で鬼のように略しましたね。」
「んむ。」
「で、ガーゴイルにもヘソがある、と?」
「あってもおかしくはない。もちろん消えてるかもしらないけど。」
「・・・ってか、ガーゴイルってそもそも、なんなんすか。」
「なんなんすかと言われても。」
「特徴として、ツノ、羽、卵生。私としては、爬虫類が進化した、と想像しているんですが。」
「ウロコ生えてんのかな」
「恐竜からの進化なんかが好みなんすけど。あ。しかし。そうなると、困ったことが一つ。」
「なんでせう」
「雌ガーゴイルの、あの巨乳は・・・」
「授乳目的ではないですね、哺乳類じゃないのだから。」
「まあ、この問題はハーピーにも言えるんですが。」
「ガーゴイルが鳥類に近かったら、授乳は口からだし。」
「巨乳の存在理由は・・・」
「胸筋だとしても、雄と雌にそれほどの形状の差があるとも思えんし。」
「読者の方から『ぼいんちゃんはおとうちゃんのためにあるんやで』と言われましたが。」
「も〜、それでいいや」
「いいんすか」
「うん。」

-- 
仲間のJAZZさんの愛猫ラーン。へそなんかどこにあるんだかわからない、との事。もふもふさせてください。



胚膜類(爬虫類 鳥類 哺乳類)にはへその緒があるが、例外として哺乳類の中でも有袋類にはない。




「ピジョン・ミルク」と呼ばれる物質を雛に与える鳥類はハトとダチョウだけである。雌ばかりではなく、雄にも作り出すことが出来る。



文献によれば、「ガーゴイルを知るにはデーモンを研究するのがよい」との事だが、可能な限り冒険者の本体が知りうる動物で考えたいものである。

「ガーゴイルには手と足と羽があるんだよな。・・・羽は手が進化したものじゃなかったのか・・・」という疑問が提出されたが、ブリタニアの生物には6つ足、さらに羽有り、というものが結構いたりする。沼ドラしかり、ドラゴンしかり。ゆえにガーゴイルの形態はソーサリア的には異形ではないのかもしれない。