ガーゴイルの王国は、今、未知の生物によって侵食されつつある。ブリタニアとの交渉が可能になった今、ガーゴイルの女王ザーはブリタニアの女王ドーンと会談し、相互に援助しあうことを決定した。新たに王位に付いたドーンの大きな外交的一歩である。 「When a child hatches from his egg, he is born without wings. 」 |
「蛙のおなかにヘソがない、これは常識ですよね。」 「ええ、両生類にはヘソがありません。魚類にもありません。しかし、爬虫類にはヘソがあります。」 「卵から生まれるのにですか?」 「実の事を言うと、鳥類にもヘソがあります。・・・見ますか?」 「いや、いいっす。」 「遠慮せず。さあ、羽毛を掻き分けて。どうぞ、まさぐってっ」 「いらんて言うとろうが。でも、蛇にヘソなんて見たこたぁないですよ?」 「成長するにしたがって、痕跡が消えてしまうのです。」 「知らんかった・・・。」 「鳥類のヘソも大抵の場合は残りません。」 「無いもんまさぐらせようとすんな!」 「哺乳類でも、人間みたいにわかりやすいヘソもあれば、探すのが大変なへそもあります。」 「あ〜、ネコさんのへそって見つけにくいですよね。」 「魚類や両生類は水中に卵を産みます。でもエラ呼吸から肺呼吸に進化し、卵を乾燥した場所に生まなくてはならなくなってしまいました。乾燥した場所でも卵が生き残れる方法として胚膜が生まれ、とかここらへんを語り始めると長くなりそうだから簡単に言うと、爬虫類、鳥類、哺乳類にはへその緒があって、それを切った痕跡がヘソ。」 「途中で鬼のように略しましたね。」 「んむ。」 「で、ガーゴイルにもヘソがある、と?」 「あってもおかしくはない。もちろん消えてるかもしらないけど。」 「・・・ってか、ガーゴイルってそもそも、なんなんすか。」 「なんなんすかと言われても。」 「特徴として、ツノ、羽、卵生。私としては、爬虫類が進化した、と想像しているんですが。」 「ウロコ生えてんのかな」 「恐竜からの進化なんかが好みなんすけど。あ。しかし。そうなると、困ったことが一つ。」 「なんでせう」 「雌ガーゴイルの、あの巨乳は・・・」 「授乳目的ではないですね、哺乳類じゃないのだから。」 「まあ、この問題はハーピーにも言えるんですが。」 「ガーゴイルが鳥類に近かったら、授乳は口からだし。」 「巨乳の存在理由は・・・」 「胸筋だとしても、雄と雌にそれほどの形状の差があるとも思えんし。」 「読者の方から『ぼいんちゃんはおとうちゃんのためにあるんやで』と言われましたが。」 「も〜、それでいいや」 「いいんすか」 「うん。」 |
-- | 仲間のJAZZさんの愛猫ラーン。へそなんかどこにあるんだかわからない、との事。もふもふさせてください。 胚膜類(爬虫類 鳥類 哺乳類)にはへその緒があるが、例外として哺乳類の中でも有袋類にはない。 「ピジョン・ミルク」と呼ばれる物質を雛に与える鳥類はハトとダチョウだけである。雌ばかりではなく、雄にも作り出すことが出来る。 |
文献によれば、「ガーゴイルを知るにはデーモンを研究するのがよい」との事だが、可能な限り冒険者の本体が知りうる動物で考えたいものである。 |
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