『狼狽』〜『ルナ渡航に関する警告』〜『希望の夜明け』


タウンクライヤーが叫んだ。
「なんか、トランメル、ユー西の海岸沿いの家が燃えているみたい!」



火事?ウルティマの世界での火事というと、海外シャードにて、不正行為をしたプレイヤーのPCの持ち家をEAが焼き討ちにした事例が思い出されるのだが。
ユーのゲートから走ると、タウンクライヤーの言葉通り海岸沿いに燃えさかる家を発見。





家の持ち主の名前はドーン。
いやあ、これはどう見ても不適正な建築物。ステップの前に一マスもないし。きっとバグ技でも使ったに違いない!

なんてボケをかましている場合ではない。

「罠」にてサーペンツホールドに何らかの目的を遂行させるためにロイヤルガードを赴かせ、ついでにそこに現れた敵対勢力を武力で排除しようと試みたカスカ。しかしその企てはエニエールと名乗る一人の女性が冒険者に助力を請うたことによって失敗に終わる。キレたカスカはこう宣言した。

「わしに抵抗する者はすべわしの敵ではあるが、ブリタニアの敵でもある」

しかし、カスカに抵抗する者たちをあぶりだすことにことごとく失敗。そんな時、過去にブリタニアを率いてブラックソンと戦った英雄、ドーンの所有する家をカスカの手下が発見したのだ。

今となっては過去の英雄でしかないドーン。しかし、彼女を慕う者はまだまだ多い。
ドーンをとりこむ事が出来たら万々歳。でも、ドーンが抵抗活動に加わったら?

とここまで来て、カスカは実に不思議なキレ方をする。

サーペンツホールドの時現れたのは女。ドーンも女。そうか。わしの前に立ちはだかるのはいつも女か! ここは流れを変えるためにも潰さねばならん!(原文ママ)



女にこっぴどくフられた経験でもあるんだろうか。かわいそうに。
ともかく、見せしめ、陽動、という理由をつけ、カスカはドーンの家への放火を指示したのだった。

どうせカスカの部下はこの近くにいるに違いない。せっかくだし、挑発しておかねば。



カスカを罵りながら燃えさかる家の周りを一周するが、それらしき反応は一切見えない。ちっ。

せっかくだから、家の中を覗き見。



らしい、といえばらしいんだろうが、装飾も見当たらないすっきりとした内装である。女性の部屋というにはちょっと味気ない感じが否めない。まぁ、ルーンパニックの裏ルートのようなカオスハウスでも、金銀財宝がうずたかく山になっていても嫌んなんだが。

そして数日経ってもドーンの家は燃え続けたが、その他に動きは一切無かった。
しびれを切らしたカスカは更なる手に打って出た。

「ルナにはびこる抵抗勢力を一掃する!一般市民はルナに近づかないように!」

カスカから出された布告に、思わず首をひねる筆者。ルナと言えばパラディンの街。そこが抵抗勢力の巣、というのはちょっとイメージが違うんだが・・・

ルナに赴くと、一定の時間を置いてモンスターが湧いていた。
ガード機能は失われている。なんてこったい!
どうやら湧いているのはデーモン系のモンスターらしい。



待ち構えていた冒険者たちに一掃されるモンスター。
余裕をかまして、どこかに潜んでいるであろうカスカの手下を挑発その2。



その後も散発的にモンスターは湧いたが、冒険者達にあっという間に倒されていった。
そして次の日。ついに敵の本陣が姿を現した!

影エレはもう、恒例となっているがその他にも



・・・も・・・モンバット!?



どうやら異様な色をしたモンバット、しかもモンバットにはありえない強さのモンバットが敵の中に混じっていた!日頃虐げられしモンバットの怒りの復讐か!



しかし。いつもの事ながら、敵は影エレや最強カラーモンバットではない!
ラグである。



全てがストップモーション、そしていきなり自分の上に積み重なるダメージ数字。
美しきパラディンの街、ルナは死屍累々、阿鼻叫喚の地獄と化していた。

そうか、カスカの狙いはこれだったのか。ようやく気がつく。
クレイニンを保護し、ゆえにSL派閥に襲われ、メリッサの爆破によって壊滅状態になったトリンシックのパラディン詰め所。そしてカスカの敵対組織にかこつけて攻撃を受けているルナ。
カスカはブリタニアを守るパラディンという存在を弱体化しようとしているかもしれない。



気がつくと、異様な色をしたデーモンが闊歩していた。そして目を凝らすと



シャドーロードまでいるじゃねぇか!
近くによって一撃かましたいが・・・重い!重すぎる!一歩動くのにどんだけかかってんだ!



地獄絵図とはこのことである。



しかし。
生と死を往復しながらも冒険者達は戦い続けていた。
そしていつしか、果てないと思われた戦いも、冒険者の勝利で終わりをみたのだった。・・・らしい。なんせ筆者、大半は白黒の世界にいたもんで、戦況が一切つかめてなかったもんで。
ふと見ると、そこに居たのは

ドーン!? そして、プラチナドラゴンか!






以前は短かった髪も延び、すっかり大人になったドーン(なんだろう、きっと)



その場にいた冒険者の様子を見るとこの服装、ウケがよかったようである。確かに、細かい部分がエロい。


いや、エロいとか言うな自分。
そして言い伝えどおり、しっかりと八徳を身につけている。



どうやらルナが攻撃されるという知らせを受け駆けつけたらしい。カスカが恐れていたように、当初よりカスカに敵対する気まんまん。これはカスカ、家を燃やしたのは薮蛇だったのでは?



ドーンはプラチナドラゴンと共闘する、と冒険者に伝え、協力を要請。
突然その姿を現した伝説の英雄はあっという間にその場の主導権を握ったのだった。

ドーンとプラチナドラゴンは他で戦っているという仲間を援護するために立ち去った。その後に残されたのは、PCの骨ばかりであった。



次の日。ドーンの家に行ってみると、家は燃え尽きていた。そして早くも焼け跡には草が生え始めていた。過去、アドラナスの呪文の失敗によって一時は不毛の沼地と化したユーの大地だったが、古のエルフの魔法によって植物はかくも旺盛な繁殖力を取り戻している。ユーの復興に心を傾け続けたドーンにこの地を離れる決意ができた理由が、なんとなく、少し判ったような気がした。