『勇気の鐘(The Bell of Courage)』-1


ドラゴン達の闘いは終わったが、我々冒険者とシャドーロードとの最終決戦はこれから。
最終決戦ともなると、「国王カスカ」の行く末も気になるところ。


殺されるか、逃げ出した先で客死するか、断罪されて死刑か、どう想像しても、道筋は違っても結末は変わりなさげなあたりがカスカのカスカたる由縁である。

「ドーンの軍勢を助けるために、予告時間にヒスロス・デーモンテンプルに集合!」との連絡を受け、約束の場所に赴いた筆者。

既に現地は



混沌。

ばっさばっさと蠢くドラゴンの羽が節足動物の羽の動きっぽくてちょっとイヤん。
この状況じゃぁヒスロス島に到着と同時にラグに見舞われるのもいたしかたない。
ふと気がつくと、友人のHPバーがみるみるうちに赤くなっている。
「いやああ、知らないうちに何かにタゲられてるぅぅぅ、しかもどこに敵がいるか見えないぃぃぃ」との事。

更にこの場にシャドーロードが登場すると思ったのか、アルマゲドンを詠唱し続けている冒険者もいる。床にブラックロックを置くイタズラ者もいるらしく、時折自爆している姿が見える。落ち着け!

そうこうしているうちに、ドーンがやってきた。今日こそは彼女と肩を並べて戦いたいものである。



なんとこのヒスロスの下にSLの隠れ家があるという。
ドーンはふところから「真実の本」「愛のロウソク」「勇気の鐘」、ブリタニアの至宝である三つの神器を取り出した。



ドーンの掛け声と共に白いムーンゲートが開く。

彼女が持ち来たるのは力の象徴
本、ロウソク、そして炎を持ち来たる
彼女は徳に誓う
そして彼女は闇に降りる ともに


そうか、スーテックが水晶を通して「見た」のはこれなのか。



このゲートの先が最終決戦場なんだね! さぁ、どんな地獄が待っていようとも、行くぜ!
憎悪、虚偽、卑劣、人の心から生まれし闇を人の手で倒すために!クレイニンの敵討ちに!



と、ゲートに入った途端、激しいラグ、そして一転暗闇。
筆者は経験上知っていた。
こ、こういう時は大人しく待ってないとクライアント落ちするんじゃああ

じっと耐えて、数分かかったのだろうか。ふっと視界が戻る。
ありがたい、クライアント落ちせずに現地に到着できた!
しかし、現地は異様な静寂に包まれていた。

話し声、叫び声も聞こえない、人もペットも一切身じろぎもしない。



静寂の中、ようやく一人の発言が見える。



うん・・・ぜんぜん動けん・・・・

しかしその発言を境にゆるゆると体が動かせるようになる。
とは言っても、「う、動かせ・・・る・・・かな?うん、動く、動くよ!私の右手動くよ!」というくらいのもので、シャドーロードと戦うなんてどころか、奴らが見える範囲に動くことさえままならんわっ!



しばらく、どうやらシャドーロードが放っているらしい魔法のエフェクトだけを楽しむ筆者。う〜ん、派手だのぉ。あ〜、また光った〜。

話によれば、アスタロス、ファルネイ、ノスフェンターはあちこちにワープしながら激しい炎などで冒険者に攻撃してきたとか。しかし・・・シャドーロードだろうが誰だろうが、一致団結した我々冒険者の敵ではない。我々の最大の敵はラグだ!

ということで、筆者が白いゲートから数歩と進まないうちに、ブリタニアを長年に渡って混乱の渦に叩き込んできた3柱は打ち倒されたのであった。しくしくしくしく。



なんと奴らは、かつてモンデインが作り上げた「不死の宝珠」を自分達も作ろうとしていたということが発覚。
万が一、これがSLの手によって完成していたら世界は瞬く間に滅ぼされていたであろう。
本当にあやういところでブリタニアは救われたのだ。





ドーンは不完成な「不死の宝珠」をふところに入れると冒険者に振り返り言った。
「さあ、帰りましょう!わたしたちのブリタニアへ!」
そう、ブリタニアは私達ひとりひとりのものなのだ。

さらにドーンはこう言った。

「ブリタニア城へのゲートを出しますので、みなさんは先に行ってください。
そして、存命していれば、この場にいたかもしれない偉大な魔術師クレイニンに、このことを報告してあげてください。」
それを聞き、激しく打ちのめされる筆者。
「存命していれば」。
ドーンがそのように言うということは、やはり・・・「じつはクレイニンは生きていた!」というオチはありえないということなのか・・・。

あああああぁぁぁぁぁ(号泣



ドーンは冒険者を送るためのゲートを出すと、ことの次第をプラチナドラゴンの長に連絡するために単身立ち去った。はい、また会いましょう。ええ。

・・・・・・・・・・・。

・・・・ああああぁああぁぁあぁぁ(まだまだ号泣している


続くよ。