『宝珠を守る者』



「ブラックロックについて考えてみる」

もともと、「ちょ〜謎な物質」として扱われているのだから、結局のところ「ちょ〜謎」としか言いようがないのだ
が。

オフィディアンにブリタニアのガード機能を阻害するような魔力を与え、破壊された途端世界中に飛び散ったブラックロック。ブラックロックの鉱脈の傍ではスキルの上昇率が異常に高まる事が発見され、未知の力として人々に期待を抱かせた。しかし程なく、ブラックロックが生き物を「汚染」する事が判明。汚染された生物は黒化、影が薄くなる。それと共に正常な意識が保てなくなり凶暴化、人々を無差別に襲うようになった。

かつてブリタニアの黎明期、FoAという宗教団体が世界を破滅させるアルマゲドンを唱える為にブラックロックを収集。FoAはこのブラックロックを精製し、その力を利用してアルマゲドンを唱えた。
この時の呪文はブリタニアに大地震をもたらしたものの、本来意図した作用を起こさなかったらしい。

この本来意図された作用とはどのようなものか。

ヘイブン崩壊をもたらしたのは、ヘイブン地下で唱えられたアルマゲドンであるとされている。アルマゲドンの呪文は島の南半分を吹き飛ばし、多くの人命を奪い去った。
しかし同時に、忽然と姿を現したニューヘイブン。
ただの原っぱであったはずの地に、あたかも長年そこに町があったかのように平然と人が暮らしていた。そして人々の様子は我々ブリタニアンとなんら変わりがない。
だが、ニューヘイブンの町長はこのように語る。
「私たちがどこから来たのか、今はまだ明かす事はできません」
今ではなんの疑問を感じることもなくニューヘイブンをたむろする方も多いであろうが。

ヘイブン崩壊によって研究が中断していたブラックロック探査装置。評議会の後ろ盾があり、動作のキモとしてブラックロックが組み込まれた探査装置が完成。だが試運転の失敗の後、本稼動に際して大爆発を起こした。
爆破は設置場所であったムーングロウの広場に大きな穴を開けただけに留まらなかった。爆破の中心部から、「ムーングロウとそっくりそのままのどこか」に繋がるようになったのだ。
現在のムーングロウをそのまま写し取ったような、しかしまったく異なる世界。丸く切り取られたその空間にはムーングロウには居ないはずのモンスターが徘徊、さらにはシャドーロードまで出現した。

ムーングロウに似た世界から、こちら側のムーングロウへと具現化しようとするシャドーロード。その脅威を察知し監視を続けていた、世界の管理人とされるタイムロードがあわやというところでシャドーロードを退けたため、シャドーロードがこの世に現れるという危機はとりあえず回避された。

これまで、シャドーロードは「エセリアル空間にいる」とされていた。もしかすると、ブラックロックの作用とは「この世界ではないどこか」とこの世界をリンクさせる、というものではないのだろうか。シャドーロードを信奉していると思われるFoAがアルマゲドンの魔法を唱えようとしていたのは、シャドーロードの存在する空間とこのブリタニアを繋ぎ、シャドーロードをこの世界に具現化させようとするためだったのであろう。

しかし、そうとすれば、あのニューヘイブンは一体なんなのだろうか?



「ついでに「複製された世界」についてメモしておく」

現実世界の2006年6月頃に知られた謎の書籍「The Shattering」という書籍は、実に興味深い内容に満ちている。(BNNに訳された内容が掲載されているコチラ
この本はどういうわけか、すべての銀行口座に一冊ずつ放り込まれるという、実に念の入った方法で冒険者達の手に渡った。その内容といえば、クレイニンの師匠であるニスタルが記した、不死の宝珠についての書籍だったのだ。

詳しい内容はBNNを見ていただくとして、前半分を要約すれば

・不死の宝珠はこの世界の者には壊すことが出来なかった。異世界からの異邦人によって壊されている。
・つまり、異世界の者はこの世界を壊すことが出来る
・ブラックロックを媒体としたアルマゲドンも、どうやら異世界のものみたい

ということなのだが、さらに特筆すべきは後半分である。

当初、割れた不死の宝珠のカケラの中に、コピーされた世界、つまりシャードがあるという説には否定的だったニスタルであったが、この書籍の中ではその考えを改めた、としている。
最初は一つであった世界。
しかし、不死の宝珠に押し込められ、更にその宝珠がいくつもに割れたことによって、それぞれのカケラの中に世界が出来上がってしまった。
それぞれのカケラの世界の中に、割れたいくつもの宝珠のカケラがある。
その無数のカケラの中に、更に世界が出来ている。
その世界の中には、割れたいくつもの宝珠のカケラがある。
その無数のカケラの中に、更に世界が出来ている。
その世界の中には、割れたいくつもの宝珠のカケラがある。
その(以下エンドレス)

一体・・・どれだけの平行世界があるというのだ?
そして我々のこの世界は?
それぞれの世界は、今、どうなっているというのだろうか?


もしかすると、アルマゲドンによって突如現れたニューヘイブンは、この平行世界の一つなのかもしれない。アルマゲドンによって繋がる世界がエセリアル空間だけではなく、平行世界をも含むならば。

ニスタルの仮説が正しいとすれば、この平行世界は無限に広がっている。しかも多階層で。想像を絶する状態である。



「FoAって結局なんなん?」

んまぁ、やっぱり「世界なんて滅びちまえ滅びちまえ滅びちまえ滅びちまえ滅び(以下略)」と思っている団体、ということでいいんだろうかのぉ。なんと中二病的な、もとい、破滅的な。もう少し、希望というかなんというかが無いと、宗教団体としてはやっていられない気がしない。
もし、前々段で考察していた「ブラックロック=異世界とのつながり」であるとしたら、その教義の内容が想像できなくもない。
曰く、異世界から神(シャドーロード)がやってきてこの腐った世界を滅ぼしFoAに入信している者たちを救ってくれる、だの、乱れたこの世界を滅ぼし、異世界へ逃れて素晴らしい世界を作ろう、だの。

そのような世迷言を無条件で鼻で笑えるほどには、人というのは強くないのだろうなぁ・・・



   
 このページ内の文章はあくまでかにかくに管理人の現時点での私論であり、事実と異なる可能性があります。今後更なる文献が見つかるなどした場合、少しずつ訂正していくものとします。
第一稿 2010.01.07