『宝珠を守る者』


「ルビーの宝珠は突入作戦時にカスカが手に入れたんじゃないのかという意見について考えてみる」

「一体いつシャドーロードがルビーの宝珠を手に入れたのか?」という疑問に対して、「もしかしたらこの時じゃ?」という意見が最も多いのが、カスカ主導による「突入作戦」である。
ダンジョンの中のモンスターを冒険者に掃討させた後、カスカは中心部にあった「blood sigil」を破砕した。カスカの説明では、これが「敵」の力の源、これを壊せばクリムゾンドラゴンがこの世界に来れなくなる、との事だったが、それを信じている冒険者はほとんどいるまい。
この「blood sigil」が実はルビーの宝珠だったんでは?それを手に入れるためにカスカは冒険者をだまくらかしたんで?という想像が事実なのかそうではないのか、今となっちゃぁ知りようがない。
もし、それが事実だとすれば、カスカがクリムゾンドラゴンと対峙したとき、物笑いになるほどにうろたえていた理由が、ただ単にヘタレだった、というだけではなくなる。
ユーに戻ったカスカと冒険者の前に立ちはだかったクリムゾンドラゴンは、おそらく、経験の浅い若者であろう。彼らはクリムゾンドラゴンの長老タールストレイターが言うところの「若さゆえの経験と知識の不足からくる知恵と自己の抑制の欠落」したクリムゾンドラゴンで、カスカの背後関係を考えることなく襲い掛かってこようとしたのだろう。しかし、もしこの時点でカスカがルビーの宝珠を手に入れていたとしたら、カスカの最重要目的は「無事にルビーの宝珠をシャドーロードの手に渡すこと」であっただろう。何をおいても一目散にその場から立ち去ったのも無理はない。

しかし、そうならば、最大の疑問は「あの場所はなんだったのか」という事になる。

1.最初にカスカが言ったように、あそこからクリムゾンドラゴンが送り込まれていた。つまり、ドラゴンがあの宝珠を持っていた

 クリムゾンドラゴンとシャドーロードって共闘関係にあったんでないのん?なのになんでクリムゾンドラゴンの邪魔をするような事を、という疑問が。んまぁ、奴らが本当に仲良しだったとは思えないので、クリムゾンドラゴンの力を削ぐ必要があった、という事は考えられるんだけど。

2.前の仮定が正しく、あそこがエルフによるルビーの宝珠隠し場所だった

 スタート位置がユーだしねぇ(ハートウッドへのゲートに近い)。そうであってもおかしくはないけど、ではあのダンジョンにたむろしまくっていたモンスターはなんなんなの、という事に。エルフが護衛用にモンスターを配置した、というにしては禍々しすぎるモンスターたちであった。

・・・う〜ん・・・・わからん(をぃ




「ケンとマヤとメロディはどうなったんですかのぉ」

そ、それについては口に出してはいけな・・・ぐああああ



「そ、それじゃ、リカルドってどうなったん?」

自称、伝説の大盗賊、リカルド。オフィディアンのブリタニア侵攻のきっかけを作った男。有罪判決を受け、投獄された先で、評議会殺人事件の容疑で捕まったアベリーと出会った。その後、どうやらシェリーと合流、牢から抜け出した二人はドーンの指揮下に入った模様。シャドーロードとの最後の決戦の際、ドーンを援護する軍勢の中に彼ら二人の姿も見える。
なお、ドーンと合流したのは彼ら以外に、ムーングロウのブラックロック探索装置を作成したクロノスの弟子デクスターもいる。デクスターとタイムロードを連れて逃亡生活を指揮していたスーテック先生も合流チームの一人だが、どうやら彼は将来を幻視したせいか、それとももともとその素養があったのか、頭があっちの世界に旅立ってしまったらしい(婉曲的言い方)。今ではステイジアン・アビスの奥底でぶつぶつと呟きながらマッドサイエンティストな研究にどっぷりと漬かりきっているようだ。
魔法ネズミのシェリーと逃亡生活を送っていたアイリーンもドーンと合流したはずなのだが・・・どうか開発陣の皆様、アイリーンの事をたまには思い出してあげてください。(2010年1月現在)



「カスカって能無し?」

クレイニンが目覚めた後のカスカの動きは、傍から見ると支離滅裂である。カスカたち、SL側にとってクレイニンという存在が何を意味していたのか、そこがわからないため、どうにも推察するのが難しい。
クレイニンを殺害しようとしたエルフは一体何者なのだ?意識不明になっていた時ならばともかく、どうして目覚めたタイミングで殺害しようとしたのか?
それはともかく、クレイニンはフェルッカのトリンシックに移送される。
なぜ、フェルッカのトリンシックなのか。
トリンシックは古来、要衝の地であった。幾度となく攻め込まれてきたのは、軍事的にも商業、交通の面においても重要な都市であったためだ。もちろん、攻め込まれるたびに人々はトリンシックの守りを固くしていった。その地にいるパラディンは、ブリタニアを守るという役目を担っている。
カスカの中で、クレイニン抹殺が決定事項だったとしたら、クレイニン殺害に伴う破壊行為によるパラディン詰め所の無力化も狙っていたのではなかろうか。更に、クレイニン殺害を阻止できなかったことによりパラディン勢力の発言力の低下、ひいてはパラディン出身のロイヤルガードの失脚を狙ったとも考えられる。

トリンシック出身のパラディンの地位低下を狙った動きは他にもある。ヘイブン崩壊事件の調査時、アベリーの部下であるトリンシックのパラディン出身の若い兵が実はフォロワーの手先であったことが判明。この事件はトリンシック出身のアイリーンも気にかけていたが、トリンシックの政治への関与を忌避する勢力にとってはよい攻撃材料となっていたに違いない。

かくして、クレイニンはフェルッカのトリンシックに運ばれ、殺された。パラディンの権威と共に。

ルナを攻撃した理由も、かの地がパラディンによって守られている街だ、ということが考えられるであろう。冒険者達が呼びかけに応え、ルナを守りきることがなければ、ルナはトリンシックのパラディン詰め所のように崩壊したに違いない。

冒険者にとってはあまりにあからさまで疑いようもなく黒いカスカ。「こんな怪しいやつ、疑わざるを得ないだろが〜〜〜」という叫びが聞こえてきそうだが、実際はどうなのだろうか。
ブリタニアにおける「市民」とは誰を指すのか。もちろん、我々冒険者もその一員である。しかし、冒険者という存在はブリタニアにおいてはほんの一握りに過ぎない。多くを知ることができる位置にいる我々は、非常にブリタニアにおいて特異な存在なのだ。
そのように考えてみると、情報が極度に少ないブリタニアの一般市民にとって、タウンクライヤーなどから漏れ聞こえてくるカスカの行動はあまり疑わしいものではない。それどころか、英雄に祭り上げられてしかるべきなのだ。



     
 このページ内の文章はあくまでかにかくに管理人の現時点での私論であり、事実と異なる可能性があります。今後更なる文献が見つかるなどした場合、少しずつ訂正していくものとします。
第一稿 2010.01.07